医用精密計測機の輸出包装改善2003
タカムラ産業では2003年VA大会で、「医用精密計測機の輸出包装改善」を発表しました。
強化段ボール梱包による輸送設計・提案を積極的に進めています。
今回は、“脱木材”梱包をテーマに木箱梱包から強化段ボール梱包への転換に取組んだ事例を発表します。
製品の概要
製品名 : 精密計測機
製品寸法 : 1890×1120×1070(mm)
製品重量 : 685kg
仕向け地 : アメリカ・ヨーロッパ・他国
従来の仕様
【密閉合板箱】固定金具及び木材による根止めスロープ付き
改善点
●輸送・保管中カビが発生
●製品に木材の臭いが付着
●物流子会社で製函ができない
●包装時間の短縮
●廃材処理がめんどくさい
仕様の検討(1)
外 装 : TW1300G(3層強化段ボール)
CCTキャップ(スロープ)
4面パネル(メタルファスナ組立)
内 装 : BW700G(2層強化段ボール)
パネル式(メタルファスナ組立)
STC式上部補強材(メタルファスナ組立)
腰 下 : TW1300G(3層強化段ボール)
CCT式トレイ(スロープ)
積層巻桁+合板(敷板)
外装
内装
腰下
開梱後
荷扱いテスト
試梱の結果【荷受メーカー回答】
●カビ問題→解決 ●製品に木材の臭い→解決 ●外装→強化段ボール化へ
●腰下→合板+木材(従来)
仕様の検討(2)
外 装 : TW1300G(3層強化段ボール)
CCTキャップ・4面パネル(メタルファスナ組立)
内 装 : BW700G(2層強化段ボール)
STC・パネル式押え材(メタルファスナ止め)・上部補強材
腰 下 : 木材(熱処理材)→集成材
外装
内装
腰下(集成材)
スロープ
試験実施
1) 落下衝撃試験
落下高さ : 6インチ(152.4mm)
試験回数 : 1回
他条件 : 製品梱包箱の上に900kgの
ウエイトを乗せる
合成衝撃値 : 16.09G
製品・包装 問題なし!
2) 傾斜衝撃試験
製品・包装 問題なし!
3) 振動試験
周波数範囲 : 5~100Hz
試験回数 : 1回
振動変化 : 0.5G一定で5~100Hzを
7分間かけて振動上昇
7分間かけて振動下降
最大衝撃値 : 上昇 3.3G
下降 3.5G
製品・包装 問題なし!
4) 輸送試験
【国内輸送】栃木→大阪(往復)
【輸出輸送】栃木→アメリカ(往復)
製品・包装 問題なし!
最終仕様
納品先で木材から紙に変わることに対しての抵抗があったため、オール段ボール梱包(腰下含む)にはなりませんでしたが、テストでは全く問題ありませんでした。改善点を解決する方法は、合板箱を強化段ボールに変更するのが一番良いとの判断で紙への変更となりました。腰下は熱処理をせず薫蒸(くんじょう)証書をとる必要がないため、短納期での出荷が可能です。
外 装 : TW1300G(3層強化段ボール)
CCTキャップ・4面パネル
(メタルファスナ組立)
内 装 : BW700G(2層強化段ボール)
STC・パネル式押え材
(メタルファスナ止め)・上部補強材
腰 下 : 集成材
固定方法 : 内装材・固定金具止め
トータルコストダウンに成功
合板木箱よりも、強化段ボールは資材費が上がってしまうが、組立てが簡単なため、梱包作業費が下がり、強化段ボールは紙なので梱包重量も減らせる為、約13%のトータルコストダウンに成功しました。
まとめ
●輸送・保管中カビが発生 ●製品に木材の臭いが付着 ●物流子会社で製函ができない ●包装時間の短縮 ●廃材処理がめんどくさい
改善点の5点は、合板木箱を強化段ボール梱包に変更で全て解決しました!今後も、オール強化段ボール包装の提案・改善をすすめていく方針です。