それは国際植物検疫条約(IPPC)に基づき、各国が自国を農業事情・自然環境・病害虫のリスクから植物検疫法規を制定し実施しているからです。
梱包材は通常製材されたままで未加工の木材が使われることが多いため、その木材に寄生する病害虫を各地にばらまいてしまうリスクがあるためです。
国産の木材でなくても原産地が不明なこともあり、検疫対象病害虫が発生してない国の生産財材でも輸送過程で発生している国や地域を通過して寄生する場合があり、国産材・輸入材にかかわらず規制の対象とされることが一般的です。
2002年3月に「国際貿易における木製梱包材規制のための指針」が制定され、2003年から多くの国がこの指針に沿った梱包材規制を実施しています。この指針を「国際基準№15」(ISPM NO.15)と呼びます。
国際基準№15について、各国の規制は植物防疫所のSITEで確認できます。
「国際貿易における木製梱包材規制のための指針」に対応
では、輸出するためにはどうすればいいのか?
生木の場合は、熱処理・燻蒸処理・防虫剤の加圧注入処理が必要になります。
非木材扱いの材料で梱包することで対応することができます。
- 強化ダンボールを利用した梱包素材で輸出梱包し対応する。
- 強化ダンボール+LVL材素材を組み合わせた、ハイブリッド輸出梱包で対応する。
- あるいはLVL材や合板、ベニヤ材等を組み合わせて輸出梱包する。
左がLVL材 右が杉材(芯持ち材)
時間がかからず手っ取り早いのが、非木材梱包です。燻蒸処理の場合は、消毒証明書や熱処理グラフを取得提出など手間と時間がかかります。それでも一般の木材に比べると強度が落ちるため、5tもある重量物などはやはり燻蒸材を使用するのが無難です。