梱包内装について(バリヤ包装・緩衝包装・吊り梱包など)
外装箱がいかに丈夫なものを用いても、内装がしっかりと施されてなければ、内容物は破損してしまいます。ガラス製品のような易損品や鉄製品で錆びやすいもの、湿度に弱いものだったりと梱包対象は様々ですよね。
いろんな製品に対応するため、最適な内装仕様があります。ちなみに右画像は、防錆防湿バリア包装と呼びますがアルミ蒸着されたバリアシートを袋状に加工して製品を包みます。中にシリカゲルなどの乾燥剤を適量(これも輸送期間や保管期間、湿度の高い国向けなどによって計算をします)入れて、バキュームの通る穴だけ残して封をします。最後にバキュームで中の空気を抜き取り、ホースを抜いて封緘で完了。バリヤ包装の梱包事例はコチラから・・・
バリヤ包装
緩衝包装
強化ダンボールの内箱を合板製の木枠梱包の中で吊り梱包した事例。中の内箱が木枠の中で浮いています(@_@)
防錆・防湿・防水包装に続いては、緩衝包装について少し話します。上の画像は、見づらいかもしれませんが比較的軽量な美術品を木枠梱包(クレート梱包)の内部で強化ダンボール梱包済みのものを箱の上下四隅からそれぞれ引っ張り、箱の中で浮かせた状態になった梱包仕様です。外からの衝撃が内箱に伝わりにくい構造となっております。ただし、他の梱包仕様に比べ箱の容積が大きくなってしまうのが欠点となりますが・・・
この吊り梱包も分類でいえば緩衝包装のひとつで他には全面緩衝包装・部分緩衝包装・二重緩衝包装などがあります。
詳細は各種梱包事例を参照下さい(^^ゞ
製品の形状に合わせた緩衝包装です。
特殊な形状の内装は、原則的に現物合わせとなります。
ガラス製品を収納した上下左右前後のスチロール材で覆った全面緩衝包装です。
静電気に弱いPCなどを帯電防止タイプの気泡緩衝材で養生した梱包事例となります。
部分緩衝包装の輸出合板梱包箱です。底面にサンテックフォーム敷いて、前後・左右に同じくサンテックフォームを配置。上から衝撃があった際に外力を逃がすため、上部だけ若干の空間を設けてあります。
精密機械のオール合板密閉バリヤ包装梱包
梱包する品物によって緩衝材の種類や発泡倍率(固さ)を選んで包装します。ウレタン素材の緩衝材を使った2重箱タイプの輸出梱包箱です。
四角い形状の機械に合わせた部分緩衝包装の一例で、全面ではなく要所に緩衝材を設置することでやはり外からの力を分散させて逃がす役割を持たせています。ちなみに黄緑色のベルトは荷締めベルトといい通い箱に多く用います。それを中通しにすることでベルトの紛失を防いでいます。
薄い板状(ガラス)のものを収納するために内装設計をした通い箱タイプの梱包箱
工業包装(梱包)過程で何が一番大切か?
それは、お客様の大事な製品を外的な衝撃から守るための最善の内装(固装)を施すことなのです。内装方法を大まかに分けると化学的保護の内装(防水防湿や防錆処理など)と物理的保護の内装(緩衝技法や固定技法など)になります。最初の化学的保護は製品の材質や特性による判断が必要となりますので、お客様とのコミニュケーションによる製品情報が何より重要な要素となります。
長年にわたる工業包装の経験から蓄積された固定技法や緩衝技法を駆使して、小型精密機械から大型工作機械やガラス製品・車をまるごと梱包など最適な内装を施し、輸送中のリスクを最小限に食い止めます。